別解力こそ経営力「起業家の思考法」平尾丈

別解力こそ経営力「起業家の思考法」平尾丈

8月 29, 2022

株式会社じげんの代表 平尾丈さんの本で、起業論について書かれています。平尾さんはリクルート入社後、新規事業を複数立ち上げた後、会社を設立し、社長に就任。30歳でマザーズ、35歳で東証一部上場、12期連続増収増益を達成している起業家です。

圧倒的な成果を出し続けた平尾さんの別解力の解説はとても面白いものでした。別解力とは、「自分らしいやり方×優れたやり方×別のやり方」と定義されています。別解を持つことにより、圧倒的成果が出る、評価される、個性が出せる、自己肯定感が高まることで、仕事が楽しくなるという点は、とても共感しました。

起業家に必要なものとして、発見力、別解力、実現力+失敗力+これらによる成長力が挙げられていました。特に失敗力が必要という点は印象に残りました。圧倒的な成果を残す人材は失敗もたくさんしていますが、そこから学び続けられる人は同じ失敗を繰り返さず成長し続けられるということ。最近失敗が少ない気がしていたので、心に響ました。

一点、物足りなかったのは、平尾さんの個人的なストーリーや感情面があまり語られていなかったことです。おそらく平尾さんはとても論理的な方で起業論にフォーカスした本ということは理解しつつも、もう少し人物像がイメージできるエピソードなどを読んでみたかったと感じました。

これから起業を考えている方、経営者の方、新規事業開発担当のビジネスマンにおすすめできる本です。

以下、印象に残った内容とコメント。

  • 優れた人のやり方を真似する人がいるがうまくいきません。優れた人はその人の個性や強みも生かしています。自分の価値観や夢中に慣れる要素が入らないとモチベーションが維持できず、飽きてしまうのです。だから三つのやり方の組み合わせが大切。
    ➡ 特に20代はこの罠にはまっていた気がします。周りに流されて、周りと同じように就職活動をして、周りが羨ましいと思う就職先の内定を欲しがっていました。優秀な人の話を聞いたり、本を読んだりして、マネできることを取り入れようとしてもモチベーションが続かないという日々だった気がします。結局、自分を知ることが最大の差別化とモチベーション継続につながった気がします。自分以外にはなれないのだから。

  • 人と違うことをして、一人で行動する。個性を発揮できなければつまらないというメンタリティに変える。同調圧力に負けずひとりで行動することから始まります。
    ➡ 孤独を恐れないことは本当に大切だと思います。最初は怖いかもしれませんが、自分と向き合うには一人旅が最も有効だと思います。最近旅にでていないので、早く長期の旅行に行きたいです。

  • 地道なビジネス基礎トレーニングを怠らない。毎日風呂に入る時、KPIが書かれたシートを持ち込み、壁に貼って数字を見ています。3年前の会社はどのような状態だったか。5年前はどうだっか、それを踏まえていま、どうなりたいか。思い描いた数字と異なる部分があれば、思い通りの数字になるように変えていきます。それを毎日風呂に思い浮かべて考えています。
    ➡ 経営者の目標に対する執着の強さが会社の強さになる。経営者として決めたことは徹底的にやり切るということを示していきたいと思いました。