戦う起業家に向けたパンク哲学「Business For Punks」 James Watt
8月 31, 2022
イギリスで最も売れているクラフトビール「BrewDog(ブリュードッグ)」の共同創業者による本です。300万円で始めたビジネスがどうやって急拡大し、倒産の危機を乗り越えながらも成功を収めるまでに至ったのかがかかれています。
実はこの本を読んだのは随分と前なのですが、再度読み返してみました。起業当初に読んだのですが、今でも内容の過激さ、起業・ビジネスとは戦いだという前提で動いていること、独自の経営論は本当に多くの示唆を与えてくれます。日本はある意味恵まれており、競争も激しくないので、彼らのような動きをする会社は少ない気がします。同調圧力など一切気にせず、他人のアドバイスも一切無視して、自分が信じる世界を実現するための革命に命をかけるといった感じです。これから起業する人、起業したての人には、目線を上げてくれるポイントや新たな気づきがいくつもあると思います。
ただ、内容が過激すぎるので、同じような経営を日本で実践するのは危険です。単純にまねをするのではなく、その本質、自分自身が本当に信じることを実践することがポイントなので、自分自身がパンクでなければパンクでない経営論があるはずです。経営とはどこまで行っても自分の色が大切だと考えているので、クラシックでもポップでもいいんだと思います。僕の場合はストリートとローカルの色を入れてる感じです。
この本は日本のビジネス本ではまず見ない内容が書かれています。日本で同じことをしたら、炎上してたちまち社会から叩かれまくって頓挫するだろうなと思うようなストーリーだからです。それゆえに、個人的に日本人の起業家、ビジネスマンに最も読んでほしい本の一つです。
以下、印象に残った点とコメント。
- 市場のGAP探しは迷信で時代遅れ。同好会すら立ち上げたことない経営学者の思いつきだ。自分で絶品のパイをつくり、新しい市場、カテゴリーをつくるのだ。
➡ 旅館でもホテルでもない町家ホテルというカテゴリーをつくっていきたい。そこにGAPがあるはずだと市場規模だけで参入すると、挫折した時に弱い。自分たちが良いと思う商品を信じてつくりあげることを続けたい。
- 自分が先頭を走れるときに、誰かの後ろに従う必要はない。100%自己流でやるべきだ。自分が情熱を感じるものをつくり、欲しい場所をつくり、最高に受けたいサービスを客に提供するのだ。
➡ これには励まされたのを覚えている。起業したての頃は不安で、ロールモデルもなかった。地方部で新しいモデルを自分が作っているのだから、自己流でとにかく前にすすもう!と思わせてくれた一文。
- 始めるのはビジネスじゃない、革命戦争だ。明確な目的と使命、存在理由がもとめられる。使命はあらゆる行動を裏付け、決断で立ち返るき根源になる。
➡ 使命の大切さ。ビジョン、ミッション、バリューに沿った行動を徹底する。そういったことをまだ肌感覚で理解していなかったころだったので、印象に残った良い一文でした。今でも心に響きます。