# 経営
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5月 23, 2022
顧客機転がすべて「たった一人の分析から事業は成長する」
いま日本で最も人気のあるマーケターの一人、西口一希さんのノウハウが詰まったマーケティング本です。西口さんは、P&Gからキャリアをスタートさせた後、ロート製薬の役員に就任し、スキンケア商品の肌ラボを日本一の化粧水に。次は打って変わってベンチャー企業スマートニュースに参画し、大きな成果を残されました。大企業からベンチャーまで、第一線で活躍する中で確立した独自のマーケティング論を、展開されています。この本の特徴であり、非常に面白かったポイントは「N1」というアイデアです。大量のデータをもとに平均的な顧客を想像するのではなく、たった一人の顧客と向き合い分析することで、アイデアを得ることの大切さが書いてあります。どうしても顧客データ分析をすると、数字で理解しようとしてしまうのが、ビジネスパーソンではないでしょうか。本来一人ひとりのお客さまが存在しおり、それぞれ全く異なる人物であるはずなのに、そこに平均的な人物がいるような感覚で議論をしてしまうことがあります。実はそんな顧客はどこにもいなかったという危険性があるということですね。当社のビジネスはまだまだ小規模ということもあり、「一人ひとりのお客様...
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4月 4, 2022
社会起業の方法論「9割の社会問題はビジネスで解決できる」
著者の田口さんが2007年に創業したボーダレスジャパン。貧困、過疎化、人種差別、耕作放棄地、フードロス、地球温暖化などあらゆる社会問題を解決する事業を展開している会社で、ユニークな経営の仕組みや社会起業のノウハウについて書かれています。日本だけではなくて世界15ヵ国で40のビジネスを展開しているとのこと。本書を読む前は、日本から本当にソーシャルビジネスで世界展開できるのだろうか?と感じていましたが、仕組みが生まれた歴史や事業内容を理解するとなるほどと納得しました。ボーダレスジャパンの強みは圧倒的な当事者意識を生み出す仕組みとビジネススキルだと思います。これは、代表の田口さんが株式会社ミスミ出身ということが大きい気がします。株式会社ミスミは徹底的に経営マインドとスキルを社員に教え込むことで有名な企業です。HIDAIIYOのミッションである「ビジネスの力で地域を前へ」と考え方が似ていることもあり、共感できる部分も多く、たくさんの学びを得ることができました。僕たちもスモールビジネスをいくつも立ち上げてきましたが、本書に記載してあるノウハウが当てはまる経験がたくさんありました。ただ、ボーダレスジャパン...
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4月 2, 2022
2年前の意思決定
おはようございます。今朝Facebookから2年前の投稿を教えてもらいました。新型コロナウイルスの影響が広がりを見せる中、4月7日には政府による緊急事態宣言が首都圏に対して発出され、16日以降に全国へと拡大。私たちは、2年前の今日、IORI STAYのすべての宿について、政府よりも早い段階で休業する決断をしました。休業を発表した時は5月6日までとしていましたが、半年から一年間休業することになったので、大きな意思決定だったと感じています。2年前の投稿を読んで、HIDAIIYOのビジョン、ミッション、理念、バリューを反映する意思決定だったと感じたので、記録に残しておきたいと思い記載しました。詳しい経緯はいつかブログにも書きたいと思います。以下、2年前の投稿転載です。【大切なお知らせ】 本日よりHIDAIIYOが直接運営する全宿泊施設及び体験ツアーについて、5月6日まで休業することを決定致しました。 従業員含む関係者の方々には本日私から直接ご連絡させて頂きました。 既にご予約頂いていた5月6日までの予約についても、本日全てのお客様にキャンセルの依頼を致しました。 また、何件か問い合わせを頂いております飛騨市民限定の宿泊プランについても...
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3月 23, 2022
新しい資本主義へ「鎌倉資本主義」
面白法人カヤックの代表柳澤さんの本です。面白法人カヤックは鎌倉に本社をおく、デジタルを中心とした事業を展開している会社で、地域における新しい資本主義の形を模索している会社です。本書ではカヤックのこれまでの歩みを振り返りながら、将来目指している世界観などについて書かれています。内容については、地域内での活動やカヤック独自のカルチャー(ex. プレゼン大会、採用や給与決定方法など)について詳細に書かれています。正直かなりオリジナルなので一企業が真似をするのは難しいと思うようなものが多いですが、創業メンバーのノリが反映されているんだということがよく伝わる内容だったので、結局は創業者のノリを素直に出していくことが正解だと思いました。カヤックが提唱する地域資本主義は、地域経済資本 (財源や生産性) 、地域社会資本 (人とのつながり) 、地域環境資本(自然や文化)を指標化して、バランスよく増やしていくことで、多様で持続可能な成長を実現するという考え方で、GDPとう指標に代わるものとしています。この考え方自体は特に新しいものではないと思いますが、会社として、提唱するだけでなく、様々な活動を通じて実行に移され...